戦後、急激に伸びた日本人の寿命
第二次世界大戦が終戦を迎えた1945年ごろの日本人の平均寿命は男女ともおよそ50歳くらいでした。 その後、平均寿命は右肩上がりに延びていき、1960年ごろに男性65歳、女性70歳くらいになりました。 この頃、60歳定年だとして男性の定年後の余生が5年くらいです。 現役時代に必死になって老後資金を準備しなくても5年でお迎えが来るなら何とかなりそうですよね。 そして、2015年には男性がついに80歳を超え、女性は87歳です。 やはりこのペースで寿命が延びると、人生100年というのも現実味を帯びてきます。 加えて、バブルがはじけた1991年頃から日本の人口は減り始めました。 年金受給者を現役世代が支えるための人口ピラミッドが崩れ始めたのです。 現在も年金支給開始年齢の引き下げ、年金保険料アップ、年金支給額の減額など様々な方法で公的年金制度の維持が模索されています。 けれども、急速に進む少子高齢化に対し、その場しのぎの対策で年金問題が解決できないのは誰の目にも明らかでしょう。100歳までのキャッシュフローを真剣に考える
FP相談でキャッシュフロー表を作成する際、私がFPになりたての頃は80歳までの表でしたが、今は90歳までにしています。 けれども私たちの子どもの世代ですと、やはり100歳まで考えることは必要になると思います。 平均寿命が100歳で定年が65歳だとします。 定年後の余生を35年も生きることになります。 今の年金受給者でも年金だけで生活できないのですから、相当な自助努力をしないと老後破産ということになってしまいます。 高齢夫婦無職世帯の1ヶ月の平均収支は収入217,412円、対する支出が276,399円。 毎月58,987円の赤字ということになります。総務省「家計調査報告」(平成25年) この赤字を貯蓄などで賄うとすると、65歳から90歳までの25年で 58,987円 × 12ケ月 × 25年 = 17,696,100円 100歳までだとすると 58,987円 × 12ケ月 × 35年 = 24,774,540円 最低でも準備しなくてはなりません。 これは生活するためだけのお金ですから、もしものためのお金もあと300万円くらいはほしいところです。 それに、趣味や旅行などゆとりの資金も用意したければ、その分もプラスになります。 絶対に考えなくてはならないことは、年金の受取額が減るので収入はこのモデル金額より少なくなることです。 では、いったいいくら準備したらいいの!?ということになりますよね。 このままだと、現役時代は老後の準備だけで終わってしまうことになるかもしれません。現役時代の過剰な老後資金準備から解放されるには?
当然、今現在の生活を犠牲にするわけにはいきませんので、貯蓄以外の対策も必要になってきます。 では、どのような対策が考えられるでしょうか?- 現役期間を延ばす(老後期間の短縮)
- 節約を習慣づける
- 共働きなどで収入を増やす
- 資産運用で資産を殖やす
人生設計に欠かせないこと
そして、この対策を行う上で欠かせないことのひとつが健康です。 経営者の中には「健康オタク」のような人が多いですよね。 富の源泉が何であるかを考えれば、健康に投資することが最優先事項であることは自明の理ですね。 自分への投資です。 同じく、スキルを磨くことも人生の折々に取り組んでいく必要があります。 あとは、子どもへの教育です。 次世代になれば、本格的に100歳までの人生設計が必要になります。 早いうちから、そのことを伝えて先を見据えて行動することを教えるべきでしょう。 ファイナンシャルプランナー 松田 聡子この記事を書いた人
【経歴】明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在はFP業務に加え、金融ライターとしても活動中。
【保有資格】日本FP協会認定CFP® DCアドバイザー 証券外務員二種
群馬FP事務所では、中小企業経営者・自営業・フリーランスのライフプラン、資産運用、相続事業承継、保険見直し、確定拠出年金導入などの相談をお受けしております。
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