急な大幅増益には「決算月の変更」で対応!
雪害や台風など大きな自然災害が発生すると普段は不況なのに急激に特需になる業種があります。 建築関係や自動車関係などですね。 目の前の注文をこなすことに精一杯で、気が付くと売上も利益もかなり大きくなってしまうこともあります。 そこに決算が迫っていて対策が限られることがあります。 売上が季節変動する業種や大きなスポット売上が発生しやすい業種には起こりやすい問題です。 今回は急な大幅増益に対応する方法についてお伝えします。

「決算月の変更」で対応

このような場合、その状況に合わせて決算月を変更するという対策は結構有効です。 例えば「3月末の決算時期を12月末に変更する」というようなことです。 当年度が平成30年4月1日から平成31年3月31日だったとします。 途中で事業年度を2月28日までに変更します。 その場合、当年度は11ヶ月となります。 次年度は平成31年3月1日から平成32年2月28日となります。 急な利益が計上される前に決算を迎えることによって、今期の決算においては多額の納税は必要なくなります。 ただし、利益は次期に計上されますので、その間にできる限りの節税対策を講じる必要があります。

具体的な手続きは?

決算月を変更する具体的な手続きはそれほど難しくありません。 1.定款の変更 定款上で事業年度を定めているので、定款の変更が必要になります。 ※定款変更は株主総会決議が必要となりますが、同族会社では問題にはなりませんね。 2.税務署等への手続き 税務署や都道府県税事務所・市役所等への決算期変更の手続きが必要となります。 通常、会計事務所が対応してくれます。 特に大きな費用がかかることもありません。

注意すべきこと

では、デメリットとか注意点にはどんなことがあるでしょうか? 1.納税時期が前倒しになる 多額の納税を避けるために決算月を変更した場合、多額の納税にはなりにくいですね。 ただし、納税時期は前倒しになるので、資金繰りには注意が必要です。 2.税理士への報酬が発生する 決算をしますので、税理士への決算報酬が発生します。 1年未満の決算といっても通常の決算報酬を請求されるのが普通だと思います。 事業年度を変更すると税務調査が入るのではとご心配の経営者さんもいらっしゃいますが、頻繁に変えるのでなければ心配ないようです。


ファイナンシャルプランナー 松田 聡子
この記事を書いた人
松田聡子

【経歴】明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在はFP業務に加え、金融ライターとしても活動中。
【保有資格】日本FP協会認定CFP® DCアドバイザー 証券外務員二種


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