マイナス金利の影響で金融機関の不動産向け融資が急増しています。
日銀によると、今年4~6月期の新規貸出額は前年同期比22.0%増の3兆1271億円。
これはバブル期の1989年に記録した4~6月期ピーク(2兆7679億円)を27年ぶりに更新した超高水準なものです。
個人の住宅ローンはもとより、相続税対策のアパート融資なども伸びているようです。
このブログ読者の経営者の方の中にも不動産投資に興味をお持ちの方が多数おられると思います(既に始めておられる方もいらっしゃると思います)。
不動産業界にとっても大きな商機ですから、あなたが営業を受けたり、投資を真剣に検討する機会もあるでしょう。
そこで、今回は不動産投資の初心者が取り組みやすいワンルームマンション投資についての注意点をお伝えします。
ワンルームマンション投資の特長
不動産投資というとローンがつきものですから安定した収入のある人がするものだと思いませんか?
ところが、最近のワンルームマンションは20代のサラリーマンなど若年層の購入が目立っているようです。
これは、ワンルームマンションが一棟アパートなどと比較して手軽に始められるからだと考えられます。
特長としては、以下の3点が挙げられます。
1.投資金額が少なくて済む
2.どうしても手放さなくてはならないとき、比較的売りやすい
3.管理がラク
エリアや築年数にもよりますが、1000万円くらいから投資することが可能です。
やはり、ワンルームマンション投資は初心者向きと言えますね。
新築と中古どちらがいいか?
ワンルームマンション投資は新築か中古かによって投資金額や収益性が変わってしまいます。
どちらがいいかは一口にいえませんが、私の考えでは中古をお勧めします。
理由は、新築と中古のメリットとデメリットを比較しながらご説明します。
新築のワンルームマンションの最大のメリットは担保価値が高いのでローンが引きやすい点です。
その反面、
1.物件価格そのものが高い
2.表面利回り(物件価格に対する年間家賃の割合)が低くなりやすい
3.賃料の下落幅が大きい
というデメリットがあります。
今は、物件価格がかなり上昇しているので利回りも低くなる傾向が強いといえます。
また、新築というのは最初に入居した人が出るまでのことです。
2人目以降は中古の家賃相場に合わせて入居者が確保できるように賃料を設定しなければなりません。
中古のデメリットは物件選び次第で回避できる
それに対して、中古のワンルームマンションは高い利回りを実現しやすいことがメリットです。
築年数の浅い物件でも中古なら新築の7割程度の価格で購入することができます。
家賃も新築に比べれば安くなりますが、物件価格ほどの値崩れはないのが普通です。
したがって、高い利回りを期待できるのです。
デメリットの最たるものは担保力の低さです。
中古の場合の融資額は物件評価額の70%くらいになることが多いです。
それから、古い物件の場合、耐震性や耐久性が低い場合があります。
ただし、金融機関によっては都心の人気エリアにある物件ならフルローンを組ませるケースもあります。
中古といっても資産価値の高い物件を選べば、これらのリスクは回避できるはずです。
実際のところ、今は買いか?
今、全国的に新築も中古も物件価格は上昇しており、それに伴い投資の利回りは低下しています。
が、借入には歴史的な超低金利でもあります。
果たして今はワンルームマンションの買い時なのでしょうか?
このような投資判断のモノサシとして「イールドスプレッド」というものがあります。
「イールドスプレッド」とは、不動産利回りと借入金利及び長期金利との差を示す数値のことです。
一般的に不動産を購入する場合、不動産の運用利回りが購入資金を借りる金利を上回れば利益が出るといえます。
例えば、バブル期の不動産の運用利回りは2%くらい(物件価格がバブルでしたからね)で借入の金利が8%だとします。
この場合のイールドスプレッドは「-6%」です。
つまり損なのですが、転売目的で買う人が多かったのでバンバン売れたわけです。
では、現在はどうでしょうか。
中古マンションの今の利回りがおよそ6%程度で、借入の金利が2%くらいです。
ですから、今の「イールドスプレッド」は「+4%」です。
つまり、悪くはないのです。
とはいえ、大都市での不動産価格の上昇傾向は強まっています。
思い切って購入するにしても、価値の低い物件を高値掴みしないようにしてくださいね。
ちなみに不動産投資の営業電話をかけてくる業者の物件は業者にとってオイシイ物件であって、投資家に取って有利な話ではないことがほとんどです。
ファイナンシャルプランナー
松田 聡子
【経歴】明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在はFP業務に加え、金融ライターとしても活動中。
【保有資格】日本FP協会認定CFP® DCアドバイザー 証券外務員二種
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