「悠々自適の老後」ってなんだろう?

老後はどんなふうに過ごしたいですか?

こう聞かれたら「悠々自適に」と答える人が多いですね。
あなたもそうではありませんか?

寝食を忘れて経営に力を注いできたのですから、リタイアしたらゆったり暮らしたいと思いますよね。

「今まで旅行に行く時間もなかったので、海外旅行に行きたい」
「細々としかできなかった趣味にもっと時間を割きたい」

などという声を私も耳にします。

今回は経営者の老後について考えてみます。

後継者がいなくて廃業した夫婦の老後

知り合いで数年前に事業を廃業したご夫婦がいます。
小規模ながら業績は順調でしたが将来性のない業種のため、子どもたちは後を継ぎませんでした。

「身体が動くうちに旅行に行きたい」
お二人はそう考えてご主人の還暦を機に惜しまれつつ廃業しました。
一般的な経営者より早めのリタイアです。

念願の悠々自適な生活がスタートしました。
後を継がなかった子どもたちもしっかりと独立し、心おきなく好きなことができます。
夫婦でいろいろなところに旅行しました。

ところが・・・。
「半年で飽きちゃった」
のだそうです。

また元の仕事に戻ってバリバリ働きたいとは思わないけれど、健康だと完全なリタイアメントは却って苦痛なものだったのです。

そこで、ご主人はリタイアした人向けの短時間の仕事を見つけてお勤めを始めました。
地域の役員などもしているので働く時間はかなり少なめです。

奥様も近くでパートタイマーの仕事に就きました。
慣れるまで時間がかかったけれど、とても楽しく働けているそうです。

生活に困るわけではないので得られる収入は少なくていいのです。
ただ、人生100年になろうとしている時代での60歳というのは、リタイアするにはあまりに若いのではないでしょうか。
お二人はゆるいペースで働く今の生活がほどよいと感じています。

リタイア後の24時間

何年か前に生活経済ジャーナリストのいちのせかつみさんのセミナーを聞きに行きました。

そこで、いちのせさんは「定年後の1日の時間割」を書くお話をしてくださいました。
あなたもリタイア後の1日の時間割を作ってみてください。

朝起きて食事して新聞読んでと、午前9時くらいまでは何とか埋まりそうですね。
そこからちょっと考えて、12時に昼食です。

午後はまあいろいろ。
6時から7時まで夕食。
少しテレビを見て9時からお風呂。
また少しテレビを見て、11時くらいに就寝かな、と。

お気づきでしょうか?
今まで仕事をしていた時間にやることがなかなか浮かばないものなのです。
一生懸命考えて、散歩とか家庭菜園くらいです。
そうなるとあとは、テレビですかね。

悲しいですけど、現役時代にバリバリ働いていた人ほどこうなるとボケてしまう確率が高くなります。

引退後の人生設計をはっきりさせる

人の寿命はわからないものですし、老いからくる衰えはしかたないものです。
けれども、輝かしい現役時代に対してギャップがありすぎる勇退後というのを誰しも望みませんよね。

そうであれば、事業承継の計画中などにリタイア後のことも具体的に考えておくことが必要です。
今まで仕事があるせいでやりたくてもできなかったこと、大切な家族や友人との交流、地域社会への貢献などを具体的に考えましょう。

また、ともに過ごす家族のことや事業を受け継ぐ人のことも考えましょう。
お叱りを覚悟で言えば、経営者の方はあまり奥様(ご主人)のことを考えていないように思います。
勇退を機に家族の問題が起きないように、コミュニケーションを欠かさないよにしましょう。

円満な家庭なくして「悠々自適の老後」などありえません。

 

ファイナンシャルプランナー
松田 聡子

この記事を書いた人
松田聡子

【経歴】明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在はFP業務に加え、金融ライターとしても活動中。
【保有資格】日本FP協会認定CFP® DCアドバイザー 証券外務員二種


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