注目度急上昇!小型風力発電投資の魅力とは?
節税商品として、不動産投資の選択肢として、中小法人のオーナー、個人投資家が参戦した太陽光発電事業。 ただ、政府の固定買取価格は毎年下落。 一括償却もできなくなり、投資対象としては賞味期限を迎えつつあります。 これに代わって急速に注目されだしているのが小型風力発電への投資です。 小型風力発電の売電価格は太陽光発電のおよそ2倍。 太陽光発電に比べて高額な建設費やランニングコストなどを加味しても高い投資利回りが見込めることが注目されるポイントです。 今回は、小型風力発電投資についてお伝えしていきます。

風力発電のメリットとデメリット

風力発電の投資はかなり大きな特徴があります。 それらをチェックしていきましょう。

風力発電のメリット

  1. 環境にやさしい 言うまでもありませんが、自然の力を利用した発電方法なので、環境にやさしい発電です。 よく、自転車をこいで発電するシステムがありますが、自転車をこぐ人力が風に変わったのが風力発電の仕組みです。 また、風力は無尽蔵のエネルギーなので、枯渇することがありません。
  2. 昼夜を問わず発電できる 風力発電のプロペラは風さえ吹いていれば回ります。 つまり、太陽光発電は昼間しか発電できませんが、風力発電では夜も発電できるというわけです。
  3. コストパフォーマンスがよい 風力発電の電力の変換効率は太陽光と比べて著しく高いです。 また、発電にかかるコストも安く、技術の進歩もあり、2020年までに5円/1kwh程度まで下がると予測されています。
  4. 太陽光発電より狭い土地で建設できる 土地の条件は厳しいものの、広い土地でなくてもよい特徴があります。 探せば坪当たり1万円程度の土地があるようです。

風力発電のデメリット

風力発電の主なデメリットは以下の通りです。
  1. 風の強さによって発電量が左右される 自然の風は強く吹くときもあれば、まったく吹かないこともあります。 そのため、発電量は不安定になります。
  2. 自然災害によって故障する可能性がある 風が強いほうが発電量は多くなりますが、強すぎると設備が壊れる恐れがでてきます。 また、雷による故障も考えられます。
  3. 設置に適した土地が少ない 安定した風が吹く場所が望ましいのですが、日本の国土は狭いため、場所の確保はハードルが高くなります。

風力発電投資の利回り

風力発電の買取価格

平成28年度(2016年4月~2017年3月)における風力発電の買取価格・買取期間は以下のとおりです。
20kw以上の設備 20kw未満の設備
22円/kw+税(20年間) 55円/kw+税(20年間)
注目すべきは、風力発電20kw未満の設備。 1kwあたり55円で、しかも20年も買い取ってもらえるのです。 太陽光発電10kw未満の買取条件と比較すると、太陽光発電の場合は1kwあたりの買取価格が27円、買取期間は10年となっています。 したがって、少なくとも買取条件においては、風力発電のほうが格段に有利なことが分かります。

コストと利回り

風力発電機の建設コストや年間維持費は、次のように試算されています。
建設コスト 年間維持費
22万円/1kw 0.6万円/1kw
以上の条件をもとに利回りを計算すると、概ね10%前後と想定されています。 条件が良い場合には、年利20%も夢ではないと言われています。

普及が進めばよりローコストになるとの予測

風力発電の建設費は太陽光発電に比べ、高額です。 現状の風力発電では建設にかかった初期費用を回収するまでに、10年はかかると言われています。 ただ、太陽光発電もブームに乗っで業者間のの競争になり、建設費用はかなり下がりました。 風力発電の市場は始まったばかりなので、関連業者の競争原理が働くのはこれからだといえます。 したがって、今後は建設コストが抑えられ、維持費も下がっていくことが予想されます。

生産性向上設備投資促進税制とは

風力発電の投資を後押しする新しい税制、生産性向上設備投資促進税制について、解説します。

生産性向上設備投資促進税制で優遇措置

風力発電への投資にあたっては生産性向上設備投資促進税制という制度を利用することで、税金面での優遇措置を受けることができます。 ●平成28年4月1日~平成29年3月31日に風力発電を設置した場合
  1. 特別償却50%
  2. 取得価格の4%の税額控除
1または2の選択となります。

生産性向上設備投資促進税制の適用条件

  • 対象者 青色申告をしている法人・個人
  • 導入する設備 生産性の向上を目的とする設備 「最新設備」の導入と、「利益改善のための設備」の導入とに分かれます。

メリットの多い土地付き風力発電

風力発電は設置場所の土地選びが大切です。 風力発電に必要な風の量は年平均風速6m/s以上です。 けれども、必要な風量が安定していて送電線も近くにある土地を探すのはなかなか困難です。 そこで、最近では土地と風力発電がセットになったシステムが誕生しています。 土地付き風力発電はさらに、「分譲型」と「賃貸型」に分かれます。 「分譲型」は、風力発電設備のある土地をまるごと購入するタイプ。 「賃貸型」は、購入ではなく土地の賃貸契約をするタイプです。 土地付き風力発電のメリットは以下のとおりです。
  1. 風力発電を設置するための土地選びにかかる時間と経費を削減できる
  2. 設備の運搬ルートや送電も考慮されている
  3. 地域によっては風力発電用の融資プランがある
土地付き風力発電をうまく利用できれば、参入へのハードルを下げることができそうですね。

ファイナンシャルプランナー 松田 聡子
この記事を書いた人
松田聡子

【経歴】明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在はFP業務に加え、金融ライターとしても活動中。
【保有資格】日本FP協会認定CFP® DCアドバイザー 証券外務員二種


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